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2005.02.23

株式会社は誰のため?

 西武の堤義明氏の弟さんの康弘氏の言い分が新聞に出ていて興味を持ちました。

「コクド株の大半はその名義いかんに関わらず堤家の財産であり、」
と言っている部分です。

日経新聞には

「コクド株は堤家の財産で、遺産は未分割の状態にある」
と言うコメントが出ていますし、紙面には(義明氏が)
「先代から『管理しろ』と言われたのに所有と錯覚してしまった。」
ともありました。

 最終的に、この康弘氏の言い分が通るとは思えませんが、この人の頭の中では所有と管理が分かれていて、コクド株は先代の相続発生後は相続人の共有というか総有というか誰か一人の所有権には属しておらず、先代の「管理しろ」という指示によって相続人がそろって義明氏に管理を任せていたということでしょう。

 所有と管理が分かれていることはよくあることで、自分の土地にアパートを建てて管理は業者に全て任せるなんてことはよくあります。何より、株主のほとんどは株式=企業を所有していても、企業価値を維持・増大させるための企業の管理=経営は他人に任せています。

 康弘氏の話が本当だとして、先代である堤康次郎氏の意思を想像すると、「コクド株式は堤家で引き継いで欲しい。相続人のうち能力のありそうなのは義明だから義明が管理しろ。ダメなら他の者が代われ。」ということではないでしょうか。

 諸井さんを委員長とするコクドの経営改革委員会は次のように言っています。 

「コクド株式数の約5割の帰属があいまいだが、康弘氏らの名義はなく、客観的な根拠に基づく株主の裏づけがない」

 要するに株式の半分は誰のものかわからないということです。約半分もの株主がわからなくても、コクドを中心とした西武グループの改革は進めて行くことになります。極めて妥当なことだと思います。しかし、最近よく言われることに、 

「会社は株主のものである。」 
ということあります。だから、経営者は株主利益の最大化を図らなければならない。でも、今のコクドは、経営者であった義明氏が不祥事で辞任してしまったので、代わりに改革委員会が役割を果たしているのですが、半分もの株主がわからないままで誰のために改革をしているのでしょうか。

 いまや西武グループは、上場も廃止されたこともありますが、株主のために運営されてはいないのではないでしょうか。そして、改革委員会のやっていることが妥当でないかというと、多分妥当なのだろうとも思います。

株主のためではない株式会社も存在しうる。
誰が何のために企業を運営するのか。最近のM&A絡みの報道を眼にするにつけ、本当のことは何なのかよく考えてみたいと思います。

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Tracked on 2005.03.04 at 17:26

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