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2005.03.23

それでもやっぱりライブドアには納得できません

 ニッポン放送の増資差止め仮処分の高裁判断が今日にも出るようです。地裁でライブドアが全面勝訴したせいか、マスコミではライブドア優勢の論調が多いのですが私はどうしても「これでいいのか」という思いが湧き上がります。企業買収することはいいのです。ただ、あのやり方は違法といわなくてはならないように思えてしようがありません。時間外取引は認められた市場内取引だからTOBをしなくてよいけれど、今後はこれを改めてTOBを義務付けようとしています。適法ならば法律を改正する必要はないはずで、改正の必要があるのなら法律に不備はあったにせよ、あの時間外取引というのは脱法行為であったことは確かのだと考えられます。グレーだけれど法律違反ではない、といわれますが、グレーであるなら本当に違反ではないといっていいのかどうかもっと検証されてしかるべきです。

 「自由主義経済の中の象徴的存在である株式市場は、あくまで自由でなければならない。法律に違反していなければ何をしてもよく、それで都合が悪ければ速やかに改めて同じ過ちを繰り返さなければよい。」一見正論ですが、私には正論には聞こえません。私に言わせれば、「自由主義経済の中の象徴的存在である株式市場は、あくまで自由かつ公正でなければならない。法律に違反していなければ何をしてもよいということではなく、公正さを保つことが自由を守ることであることを、市場参加者は理解し実践しなければならない。」となります。ライブドアのグレーだけれど法律違反ではないというのは、公正さに欠けるのではないでしょうか。大量に株式を取得するときには、特定の相手に偏らず公開買付(TOB)をしなければならない、という証取法の規定に反していてアンフェアではないのでしょうか。条文の字面を追えば、市場外取引を禁じていて市場内取引である時間外取引は禁じられていないという見解もありますが、証取法が市場外取引を禁じたときには時間外取引などなく、証取法は時間外取引を許しているわけではありません。公正さ、フェアネスというフィルターを通してみると、はなはだ疑問を感じざるをえません。

 法律で禁じられていなければ何をしてもよいというのは、人権にかかわるような国家対個人といった対立構図のときの考え方であって、私人間の争いには法律の根底に流れる公正さを考慮すべきではないのでしょうか。株式市場はすさまじい情報戦が毎日繰りひろげられているのでしょうが、法律に不備があったとはいえアンフェアを許すことは、長期的に株式市場の信頼を失わせることになります。経済は日々動いて金融市場の投資手段は絶えず新しくかつ複雑になっていきます。法律が実態に遅れてしまうことは今回に限らず将来もありえることです。そのたびに最初の1回目の脱法行為は許してしまっていて、果たしてそれで公正な市場といえるのでしょうか。株式市場だからこそ、市場参加者は自由を守るために公正さを重じることが必要なのではないでしょうか。

 公正さということで見れば、フジテレビへの新株予約権もフェアとはいい難いのですが、同様にライブドアが時間外で取得した売買も違法性を認定しなければ片手落ちだと思います。高裁の判断はどうなるか注目ですが、仮に審議時間の短い今回の決定で認められなくても、本訴に入れば必ずや認められると信じたいと思います。

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Tracked on 2005.03.23 at 21:14

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