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2005.03.29

対中武器輸出

 シラク仏大統領の来日に際して、小泉首相が会談してEUによる対中武器禁輸解除に反対の立場を表明したと報道されています。基本的に武器輸出はいいことではありませんし、日本、韓国、台湾など東アジアの自由主義諸国への軍事的脅威である中国へ武器を輸出するなど反対して当然といえます。しかし、よく考えてみるとどうなのかなと思うこともあります。

 EUが武器を輸出したいといっても、これは日・韓・台への圧力を目的としたものではないことは自明です。リップサービスかもしれませんが、シラク大統領は日本の拒否権付での常任理事国入り支持を表明しています。EUの目的は単なる経済的利益であろうと推測されます。EUと中国を比べたとき、どちらが我々自由主義諸国陣営に近いかはいうまでもありません。

 一方で、もし中国がEUから武器を輸入するとして、自国の軍事力を同盟国ではない他国に依存するということをどのように考えるのだろうか、という疑問が湧きあがります。ありえないことは承知していますが、例えば中国はアメリカから武器を輸入するでしょうか。アメリカが中国に話を持って行っても、中国のほうで警戒するのではないでしょうか。なぜなら、自国の軍備がアメリカからの輸入に頼るようではいざというときに行動に制約が生じます。

 EUはアメリカとは対立することはあっても、基本的にはNATOの同盟国です。アメリカの同盟国が中国の軍備の一部を握るのであれば、それはそれで台湾海峡などでの緊張が高まった際に我々自由主義諸国側の切り札として使える可能性があるように思います。武器輸出といっても、無制限に行われるわけではないはずです。EUにしても、武器輸出によって武器の製造技術が中国に渡ってしまい、中国が自国で製造をするようになっては輸出できなくなります。どのような武器のどのような技術が提供されるのか、アメリカも含めて事前に確認しておくことは可能ではないでしょうか。さらに、東アジアで緊張が高まったときには、中国への武器輸出を止めることによって、自由主義国の脅威を取り除くことなどを決めておけば、EUを通して対中国への対抗手段の一つとなりうるのではないでしょうか。

 このように考えると、対中武器輸出は反対の立場であっても、止められないのであれば発想を切り替えてどのような武器を輸出するかを把握できるように働きかけたほうが得策だと思います。

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