« BSE検査見直しに思う | Main | 私たちに「元首」は必要ないのですか。 »

2005.03.31

西武鉄道株による損害はいくら?

 厚年基金連合会が上場廃止で損失を蒙ったとして、西武鉄道に損賠賠償を求める訴訟を起こしました。以前にも西武鉄道の個人株主が同様に上場廃止で損害を受けたとして訴訟を起こしたという報道があり、こちらは今係争中だと思います。

 個人株主の訴訟のときは、求める賠償は虚偽記載公表直前の株価と上場廃止を決めた時点の株価の差額を損害としていました。1000円を超えていた株価が268円に下落しましたから、1株あたり700円超の損害という計算です。

 私は、この計算には疑問を持っていました。株主の損害というのは、購入した株価を基準にしてそれよりも下回って売却した金額が損害だろうと考えたからです。西武鉄道が有価証券報告書に虚偽記載をしていたのは、40年以上にも及ぶということです。そうすると、ほとんどの株主は虚偽記載が為されている間に購入していると考えられます。虚偽記載をしなかったなら、西武鉄道株は上場基準を満たしておらず上場されることはなく購入できなかったはずです。本来購入していなかったものを西武鉄道の虚偽記載によって購入してしまったことが損害といえると思うのです。買った価格に法定利息をつけた金額と売却した金額の差額が損害だろうと考えたのです。

 今回、厚年基金の記事を読んでみますと損害としている金額は、個人株主同様に虚偽記載公表時を基準にして、上場廃止の報道を受けて売却した金額との差額を損害としています。厚年基金も公表時の株価を基準にしていますので、「厚年基金も無謀なことを」と思ったのですが、どうもこちらは事情が違いそうです。

 新聞記事をさらに読んでみますと、日経ネットの記事には出ていませんが、厚年基金が西武鉄道株を購入したのはインデックス運用のために購入したとあります。TOPIXか日経平均か何のインデックスかは書いてありませんでしたが、そのために購入していて上場廃止になることから売却したところ損害が出た、ということのようです。こうなると、先の個人株主とは同様には考えられません。

 インデックス運用をしてベンチマークにより近い運用実績を実現するために組み入れる銘柄を決めているわけですから、西武鉄道株がベンチマークを構成する銘柄であった以上購入するのは当然です。本来、西武鉄道は上場できず、ベンチマークを構成する銘柄ではなかったとはいえ、今までインデックスは西武鉄道の株価を織り込んで動いていた事実は消すことはできません。まさか西武鉄道株を除いたインデックスを計算しなおして、それを基に損害額を算定することはできません。こちらのほうはまさに西武鉄道の虚偽表示を発端として、売却によって生じたファンドの損害額を求めることが正しいように思えます。

 そう考えると、先の個人株主の言い分も聞いてあげたくなります。厚年基金は大きな資金量をもっていますから、インデックス運用のように多くの銘柄に分散投資できます。個人ではそこまでは無理です。資金量の多い投資家の損害賠償と、資金量の小さい投資家の損害賠償に差が出るのは不公平です。

 いずれにしても、損害賠償は認められると思いますが、個人株主も厚年基金も不公平のないような賠償になって欲しいものだと思います。

|

« BSE検査見直しに思う | Main | 私たちに「元首」は必要ないのですか。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/64797/3494842

Listed below are links to weblogs that reference 西武鉄道株による損害はいくら?:

» 西武王国その後 [ブログにコメントGood!orBad!]
関連するブログ記事から内容の濃いものを独断で選んでみました。 いろいろなご意見が [Read More]

Tracked on 2005.03.31 at 11:19

» 西武王国その後 [ブログで情報収集!Blog-Headline]
関連するブログ記事から内容の濃いものを独断で選んでみました。 いろいろなご意見が... [Read More]

Tracked on 2005.04.28 at 08:17

« BSE検査見直しに思う | Main | 私たちに「元首」は必要ないのですか。 »