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2005.03.04

18歳未満だけに死刑がないのはおかしいのでは?

 米連邦最高裁が、18歳未満の死刑を違憲としたとありました。未成年に対する死刑執行が「残酷な刑罰」に当るということが主な理由ということです。日本でも憲法で残虐な刑罰はかなり強く禁止されています。(36条)日本の少年法は18歳未満の犯罪者は死刑が相当でも無期懲役に緩和されることになっています。ですから、アメリカの連邦最高裁の判決は、日本の法律から見れば妥当なことといえます。

 でも、18歳未満の犯罪者には死刑がなくて、18歳以上だと死刑があるのはなぜなのでしょうか。18歳未満は若いがゆえに思慮不足で犯罪を犯してしまい、それに対して死刑を求めることは酷だからでしょうか。若者の特有の不安定な感情が犯罪を引き起こすこともあるからでしょうか。18歳未満の人間は、平均寿命からいえばまだ先があって更正する機会が十分にあるからでしょうか。

 幼いことを理由にするならともかく、若さを理由に刑罰を減刑するのは、どうも納得がいきません。「17歳の思慮不足は同情に値するけれども、48歳の思慮不足は同情に値しない。」といわれれば、それもそうだと思いがちですが、17歳でも15歳でも犯罪を犯すことは同情に値してはいけないはずです。17歳の中にも犯罪を犯す人間もいれば、犯罪を犯さない人間もいます。もし、犯罪者であってもその境遇など考慮すべき点があるのであれば、年齢にかかわらず考慮すべきことです。もちろん、考慮すべき境遇に犯罪者自身が能動的に働きかけて、改善できたかどうかを考える時に17歳の犯罪者と48歳の犯罪者とでは、一般的にその能力に違いがあることは多いかもしれません。それでも能力には個人差がかなり大きいと考えられますから、年齢によって一概に言えるものではありません。

 18歳未満の犯罪者は、まだまだ更正する機会は多いのかもしれませんが、これは非常にリスクのある考え方です。全ての犯罪者が更正するとは限りません。ついこの間も性犯罪者の再犯率の高さが話題になったばかりです。寿命を80歳として、17歳の犯罪者と48歳の犯罪者がいて、両者とも更正しなければ、17歳の犯罪者はあと63年も犯罪者であり続けますが、48歳の犯罪者は32年間で済みます。17歳の犯罪者は48歳の犯罪者よりも約2倍も犯罪を犯す時間があるのに、若いがゆえに死刑にならずいずれ世の中に出てきて再び犯罪を犯すかもしれません。48歳の犯罪者だけが死刑になっても犯罪が起こる要因はなくなりません。

 むしろ、18歳未満の人間に死刑がありうることを周知させれば、更正できる人間であれば犯罪を思いとどまる可能性が出てきて、一定の抑止力効果が期待できるかもしれません。それに比べて老い先の短い人間には死刑の抑止効果は若者に比べて小さいと考えられます。昨年暮れの白髭橋病院での殺傷事件のように、犯人が裁判さえ受ける前に自分の寿命で死んでしまえば、死刑の抑止効果はゼロに等しいといえるでしょう。

 だからといって、若者に死刑制度をつくって、老人には死刑は不要などというつもりはありません。年齢によって死刑があったりなかったりしてもどれほど意味のあることか疑問だということをいいたいのです。刑罰を受けられる年齢であれば、受ける刑罰を制限しても決して人道的でも何でもありません。未成年だから死刑は残酷だというのなら、成年にとっても残酷です。日本もアメリカも、この点に関しては論理的ではなく感情に流された制度になっているといえそうです。
 

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