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2005.03.11

金融商品の販売について(前)

 先日、社労士生保マンInakkyさんから一月ほど前の私の記事について興味をもたれたとおっしゃっていただいたので、私自身の考えの整理を含めて取り上げてみたいと思います。

 先月、あるFP(ファイナンシャルプランナー)認定団体主催のシンポジウムでの講演で、金融商品の販売姿勢について非常に感銘を受けました。今、時代の趨勢として金融機関、特に銀行においてあらゆる金融商品を一ヶ所で購入できるようになるようになって来ています。いわゆるワンストップショップ化です。一般に私たちは、金融商品に対していろいろなニーズをもっているものです。典型的な例を考えてみますと、給料を受け取るための普通預金口座が必要ですし、そこから光熱費などの公共料金や買い物をしたクレジットカードの決済が行われます。当面必要ではない資金なら定期預金にすることもあります。家を購入すれば、銀行で住宅ローンを組みますし、火災保険や地震保険にも加入します。以前は、住宅ローンは銀行の窓口で手続きをする一方で火災保険は損害保険会社かその代理店での手続きでした。今は両方とも銀行の窓口でできます。銀行が損害保険会社の商品を販売できるようになったからです。

 住宅ローンは20年から30年におよぶ長い期間の借金です。住宅ローンを組むに当っては、人生の将来設計をもう一度考えるはずです。そのときに住宅と並ぶ大きな買い物といわれる生命保険も見直すいい機会でもあります。今はまだ一般の生命保険は銀行の窓口では扱っていませんが、ライフプランをたてるにあたっては住宅ローンと生命保険を別々に考えるよりは一緒に相談できれば便利です。

 ライフプランを考えると、これから20年から30年の住宅ローンがあるとはいっても、公的年金が当てにできない現状では老後資金のことも少しは気になります。預金金利は史上最低といわれてもう10年以上経ちますが、いまだに最低のままでいつ上がるかさえ見えてきません。月々のわずかな貯蓄を効率よく老後資金に当てられるだけの金額に増やそうと思えば、株や債券なども検討する必要がありそうです。証券会社は敷居が高くても、いつも使っている銀行で株や債券が購入できればいろいろ話しも聞き易いし、いいかもしれない。

 現実に、銀行では従来損害保険や生命保険、証券会社で扱っていた商品を既に販売しています。証券会社のみで扱っていた頃よりも、投資信託は大きく残高が増えています。そして投資信託の約半分は銀行で販売されています。生保の変額年金保険も同様です。

 とはいっても、銀行は自分でこういった金融商品をつくっているわけではありません。投資信託であれば投信会社が、変額保険であれば生保が作った商品を販売して販売手数料をもらっています。バブル後の落ち込んだ収益を立て直すには、他社が作った商品を販売して儲けることは効率のいい儲け方でした。作るコストがかからないだけに売れば売るだけ儲かる仕組みは、不良債権処理に追われた銀行には絶好の儲けるチャンスでした。儲けるために売りまくったわけです。投信会社や生保の代わりに金融商品を販売するいわゆる「販売代理」というビジネスモデルです。

 しかし、ここで状況は少し変わってきました。やみくもに「販売」だけすることには限界があるのです。お客様である銀行利用者は、働いて老後資金を作ることは難しく、お金を働かせなければ老後資金は作れない時代になったことを多くの人が自覚するようになりました。利用者のニーズは、金融商品を総合的に組み合わせて、資産を守り、殖やし、残すといったことを強く求めるようになったのです。このニーズを満たすためには、売り手側の「販売代理」では無理です。利用者の対面に位置する「販売代理」ではニーズを充足できません。利用者の横に来て、利用者にとって何が必要なのかを一緒に考えて、商品のチョイスを手伝う「購買代理」が求められるようになったわけです。

 大手銀行は、不良債権処理に目途をつけて金融商品のワンストップショップ化に加えて、金融商品の製造にも乗り出すところも出てきそうな気配もあります。信託はすでにほぼグループ分けがなされています。あとは生保、損保、証券会社を金融グループに取り込んであらゆる金融商品を取り扱う「金融コングロマリット」を形成しようという意図が見えてきています。アメリカのシティグループなどのような大規模な金融機関のイメージです。

 さて、金融コングロマリットは置いておいて、銀行における「販売代理」から「購買代理」という流れは間違いないものだと思いますが、果たしてその流れはスムースなのかどうか。本題はその点なのでしょうが、ちょっと長くなりそうなので、記事を改めたいと思います。後編に続くということで、今日はここまでにさせていただきます。

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Posted by: 医療保険・がん保険 | 2007.11.08 15:52

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