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2005.04.06

政冷経熱を徹底しましょう

中国で日本製品のボイコットが行われているようです。(中国チェーンストア協会、日本製品撤去呼び掛け中国での日本製品ボイコット、日系各社対策急ぐ
原因は教科書問題や国連安保理の常任理事国入りだということですが、原因はともかく日本製品のボイコットをしてもなんら効果はないばかりか、中国にとって不利なことだということを承知でやっているのでしょうか。

 もし、日本製品が中国人の好みに合わず自由競争で淘汰されるのであれば、敢えてボイコットなどしなくても日本製品は中国からなくなります。ただ、通常は淘汰されないよう日本企業も努力します。それに打ち勝つべく、中国企業や日本以外の外国企業はよりよい製品をつくって日本製品を駆逐しますから、結果的に中国に今よりいい製品が残るのですが、ボイコットによって日本製品を駆逐した場合、日本製品はなくなるという結果は同じでも残った製品は今以上に良い物ではありません。中国人はより良い製品を享受する機会が失われます。

 日本製品が他よりもいいものであった場合は、それをボイコットするデメリットは簡単に理解できるでしょう。彼らは自分たちのデメリットをわかった上で、それでも日本企業にダメージを与えて自分たちの意思を伝えようとしているのかもしれませんが、ここが共産主義国家の特徴とみることができます。民意を主張するのに、市民が自ら不利益を蒙らないと意思を伝えられないという政治システムです。

 アメリカでも昔似たようなことがありました。日米の貿易摩擦です。あの時もワシントンの国会議事堂前で日本車を叩き壊したりしましたが、日米とも民主主義国家ですから政府間で話し合って、日本の輸出の自主規制と直接投資を増やしてアメリカでの雇用の確保で一応の解決をみました。もっとも、日本車の自主規制もボイコットと大差はないのですけれども、デトロイトでの雇用喪失のスピードを緩和する必要もあったのでしょう。

 日本でも北朝鮮への経済制裁で、政府の動きが緩慢だとして北朝鮮産品のボイコットを考えている人もいるようでしたが結局大きな勢力にはなりませんでした。改正油濁法の施行もありましたが、ちょっと考えればボイコットが如何におかしなことかわかるからです。北朝鮮産品を受け入れないことでそれが効果があるのは、北朝鮮にとって大きな貿易であることが前提として必要です。北にとって大きいということは、日本にもその事業に携わる人がいるということで、北朝鮮産品の受け入れ停止はその人たちの仕事を奪うことです。彼らがリスクをとって北朝鮮と貿易していたから、貿易を止めることで北朝鮮に打撃を与えることができるわけです。経済制裁なら当然に彼らの補償を考慮しますが、ボイコットではそこまで考慮することは極めて稀なのではないでしょうか。その効果にもっとも貢献した人たちが困るようなことでは大きな支持は得られないのは当たり前です。

 中国政府はボイコット運動を抑えることができるかどうかによって、自由主義経済圏で活動できる国かどうかがわかります。もっとも、この点が中国経済のカントリーリスクとして中国投資をする人には認識されていたでしょうが、中国政府がボイコット運動を国の政策にしてしまうというリスクが現実のものになる可能性は否定できません。政冷経熱といわれますが、もともと政治体制の違う国家間の貿易ですから、それが当然の姿なのです。今回は政治の冷気が経済を冷ましかねない状況ですが、しっかりと政冷経熱を貫けるかどうかが問われています。ちなみに経済の熱が政治を暖めることも一概に肯定はできません。政治が暖まるとはどちらかが譲歩するか、互いに譲歩することですが、靖国問題のように互いに譲歩は難しくどちらかが譲歩せざるを得ない問題もあります。財界の偉い方は、小泉総理に譲歩を求めて政治を暖めようとした発言がありましたが、このような形で政治を暖めるなら日本にとっては政冷経熱でいたほうがよほどマシです。

 中国は発展著しい国ですが、高成長しているのは中国だけではありません。ここ10年程度の経済発展で共産主義国家を最大の貿易相手国としたことの意味も問い直す必要があるのかもしれません。仮想敵国が最大の貿易相手国であることの危険性といざというときの対策は考えておくことは大切です。投資先なら、中国の先にも大きな人口を抱える高成長している国があります。分散投資はしておくべきです。

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Comments

>仮想敵国が最大の貿易相手国であることの危険性といざというときの対策は考えておくことは大切です。

中国は日本を敵視しているように見えますが、本音はそうではありません。共産主義が破産したため、「反日民族主義」を煽ることで体制を維持せざるを得ないのです。
本音は「政熱経熱」なんです。が、本音を隠して強気に出れば日本が譲歩すると思っている。要はナメているのです。
これも、田中角栄以来の歴代自民党政権(特に野中広務)と外務省の「チャイナスクール」の土下座外交に原因があります。
もはや妥協するときではありません。日米同盟を強固にし、集団的自衛権を認めることで中国ののぼせた頭を冷ましてやることです。

Posted by: 坂 眞 | 2005.04.06 at 19:51

日本は普通に友好的に付き合える国とは付き合えばいいですし、そうでない国でも経済上の付き合いや文化の交流ができるのならやればいいと思います。ただ、客観的事情を認識していれば自ずと節度を持った付き合いになるのだろうと考えます。

Posted by: tomorin | 2005.04.07 at 05:39

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