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2005.04.05

郵政民営化

 郵政民営化が最後の仕上げ段階に入れるかどうかといった局面になってきました。ずい分妥協はしていますが、民営化はぜひ実現して欲しいと思います。

 民営化したら郵便局がなくなって困るという声もありますが、郵便貯金と簡易保険の機能は郵便局がなくてもそのサービスを提供する手段はインターネットを活用することで可能であり、それが郵便貯金や簡易保険でなくてもサービスの低下とはいえないはずです。既に銀行や保険会社はインターネットでサービスを提供し、銀行における決済機能もほとんどインターネット上で行うことができ、近所に店舗があるかどうかはあまり重要なことではなくなっています。問題は郵便です。郵便とはいってもこれもかなりの部分は電話やメールで代替が可能で、本質は宅急便と内容証明や訴状の送達といった小口の物流と公的な郵便に絞られると思います。公的な郵便はどの程度の利用があるのでしょうか。よくは知りませんが、利用しようとしたときに思いついて歩いて郵便局に行けないと利用しづらいというものではないはずで、市町村に1ヶ所もあれば十分なのではないでしょうか。そもそも今でも内容証明を出すときは本局に行くのが普通です。普通の郵便にしてもメールやファックスで済ませることができる時代に手紙を出すのですから、近所の郵便局ではなく本局まで行くこともやむをえないのではないかと思います。
 
 宅急便といった小口物流は、本来の郵便業務とは違いますが、将来的には重要な業務になるのだろうと思います。買い物や商談をインターネットを使って行っても、どこかで商品の授受や契約書の取り交わしが必要になります。体が不自由で出歩けないお年寄りなどは、家まで商品を届けてくれる宅急便は都心であろうと過疎地であろうと必要です。この部分は税金を使っても提供しないといけない機能です。これにしても既にヤマト運輸や佐川急便がかなりの地域をカバーしています。もれている地域を政府が補填して運送業者にカバーさせるか、民営化する郵政公社にカバーさせればいいだけのことです。

 郵便部門の赤字を金融部門が補っているのが今の郵便局の構造ですが、郵便と金融が結びつくのは理由があります。昔は郵便が主要な通信手段であったことです。金融では送金ということがありますが、お金を実際に運ぶわけではありません。AさんがBさんにいくらの資金を送ったという情報をやりとりすることで、口座の数字を書き換えて送金したといっているのです。ここで重要なのは「送金した」という情報をやりとりすることです。情報のやりとりは通信ともいいます。銀行の振込みで電信と文書というのがありますが、概念としては電信は電報で通信を行い、文書は郵便で通信を行っているといったイメージです。ただ、もう誰でも思いますが、いま通信を電報やましてや郵便で行う金融機関はあるでしょうか。あるわけがない。銀行でも実質上は電信も文書も分ける必要性はありません。振込料金は文書のほうが安くなっていますが、実際には文書のほうが手間と暇がかかって面倒なのです。IT企業が証券会社などの金融機関を買収するように通信手段は進んでいます。郵便を行う機関が金融を行う必然性は既にありません。金融に頼ったやり方が日本の郵便を弱くしたともいえます。必要な保護は残すものの、ここらで独り立ちしないと日本の郵便は本当に弱いままでいることになってしまいます。民営化して郵便とは何かをゼロベースで見直すことが必要ではないでしょうか。

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Comments

TBさせていただきました。
「そもそも民営化は必要なの?」
今回の郵政民営化関連法案の骨格をみて、こんな疑問を持ちます。

Posted by: ko-bar-ber | 2005.04.05 at 19:26

郵便と金融がもたれあう構造を温存する郵政公社が、郵便の独占企業であり、金融の巨大企業であることは非効率極まりないことだと思います。非効率を温存することは将来にツケを回すことになります。この点から、もたれあいをなくす民営化は必要だと思います。

Posted by: tomorin | 2005.04.07 at 05:34

 はじめまして。早速ですが指摘から。「宅配便」と言うようにして下さいね。「宅急便」というのはヤマト運輸だけ。日本通運や佐川急便などにも「宅急便」の言葉を使ったらヤマト運輸に怒られますよ。気を付けて下さいね。
 さて本題。「郵貯や簡保はインターネットを活用すればいい」とおっしゃっていましたが、お年寄りなどパソコンを持っていない人のことも考えて発言して下さい。
 それと、「郵便局は一市区町村に一ヶ所だけでいい」というのはどういうことですか。これでは、市区町村役場に近い集配局以外はなくせといわんばかりじゃないですか。町村部はともかく、札幌や旭川規模の都市にも一ヶ所だけというのは、ちょっと酷では。わざわざ自宅からバスで中心部の中央郵便局まで行かねばならず、特にお年寄りの肉体的・経済的負担が大きくなってしまいます。だから、近所の商店街など徒歩でも行ける場所にも郵便局は必要なのです。携帯電話やファックスのない人のことも考えて下さい。
 とにかく、民営化されると心配です。郵便料金の値上げ、ATM手数料の有料化…。そして、郵便局以外の金融機関のない地域の人が年金を受け取れないなどの不利益を被ってしまいます。
 年金、景気対策などが解決されていない現状での郵政民営化は時期尚早だと思います。

Posted by: 郵太郎 | 2005.08.20 at 02:18

郵太郎さん、コメントありがとうございます。
宅急便と宅配便のご指摘ありがとうございました。これからは用語の使い方に気をつけたいと思います。
金融サービスについてはいえば、店舗は重要ではないとは常々感じています。PCを使えない人のことも考えなければならないとのご指摘はごもっともですが、私は過疎地ほどインターネット網を整備したほうがいいと考えています。もちろんお年寄りなどPCを使えない人たちのことを考えなければないのですが、人件費をかけて郵便局員が従来のサービスを提供するなら、過渡期として配達に行った際などにPCの使い方を指導していけばいいのではないかと思います。何ならPCは支給してもいいかもしれません。まあ、そう簡単にできないからこそ否決になった郵政法案でも郵便局のネットワークを維持するとなっていたのでしょうね。
多くの人がインターネットを使えて、ブロードバンド網が整備されれば、街中に今の郵便局がある必要はないと思います。そういう世の中がいいかどうかは意見が分かれるかもしれませんが、私はそういう方向に向かうような気がしています。そうであれば民営化がいいと考えるということです。
いずれにせよ、郵政公社が引き受けている国債等をどうにかしないと財政は健全化しませんし、財政がしっかりしないまま年金の議論を続けても結局は画に描いた餅に過ぎないようにも思います。この点からも自公の民営化か、民主の公社のまま縮小か、その他の改革なしか、選ぶのはわれわれなんですよね。

Posted by: tomorin | 2005.08.20 at 10:00

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