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2005.04.19

暴動の行方・推論

 中国の反日暴動はどこまで続くのでしょうか。これからメーデーや5・4運動の5/4が近いことから、まだ続くのではないかとも見られています。しかも、6月5日は重慶大爆撃の日、7月7日盧溝橋事件、8月15日終戦、9月18日柳条湖事件、11月11日上海陥落と暴徒が騒ぐネタはいくらでもあるようです。

 暴動が起きてしまった今となっては、歴史問題が原因などと言われようと、外交上のまともな対応ができない中国政府の話など聞く気になれないというのが大方の日本人の気持ちだろうと思います。そこで、中国政府が暴動に対して押さえ込むことができない場合、暴動はどこまで続くかを考えてみたいと思います。

 日本製品の不買運動、日本企業への攻撃、日本車と見ると中国人が運転していても襲うということを見ると、日本製品が実際に数量が減少して、その値段が上昇するまで続くのではないかと考えています。暴徒は中国人の一部であり、大方の中国人は日本製品の不買運動など自分の首を絞めるに等しいことをわかっていると思いますが、治安の悪化は日系企業の生産にマイナスの影響が出てくるはずです。広東省では反日に便乗したストライキも起きているということですが、これは日系企業の生産へのマイナスの影響そのもです。このようにして、生産量が減っても日本製品は中国では必要なはずです。反日デモに参加している人々も、日系企業製の携帯電話を持ち、デジカメを使っているわけですから、日本製品を完全にボイコットすることは不可能です。

 品薄になった日本製品の価格は高騰します。日系企業に代替して、他の外国企業が生産量を増やしたり、中国企業が生産量を増やすことは無理だろうと見ています。なぜなら、治安の悪化は外国企業にとっても脅威です。自社が標的になっていないだけで、今回の暴動を見て中国のカントリーリスクを感じているはずです。目の前でそのリスクを見せられて、すぐに設備投資をしたり、生産量を増加させることはできないでしょう。また、中国企業の生産には日本からの部品の輸入が必要です。日本製品のボイコットをしているのに日本からの輸入は増えるという矛盾は、中国の愛国者でなくとも気がつくはずですし、日本企業としてもカントリーリスクの高い国への輸出を増やすことには慎重になってしかるべきです。このようなわけで、発展著しい中国企業であっても、日本製品の代替品を供給することは難しいのです。そして日本製品の価格が上昇します。

 しかし、日本製品の価格上昇によって、中国経済はデフレ脱却のきっかけを掴むことができるかもしれません。中国では高成長していながらインフレにならず、高成長産業の関係者の所得は増えても、その他の者の所得は増えていません。中国には都市と農村の格差だけでなく、都市の内部にも格差が生じています。都市の内部の格差については、インフレになって賃金が上昇すれば、多少は縮まることは可能です。

 もし、中国政府が何もしなければ、暴動はここまで続くのではないかと考えます。最悪なのは、治安が悪化して日系企業が中国から撤退することです。日系人の身の安全が第一ですから、あまりに治安が悪化したら中国からの撤退を考えざるをえなくなります。しかし、そうなると問題です。日系企業が撤退した後には、都市に大量の失業者があふれ、彼らがインフレの波をもろにかぶって暴動を起こし、さらには内乱状態にもなりかねません。

 中国が混乱に陥ることは、我々日本にとって好ましいことではありませんし、世界の誰もがそんなことは望みません。身の安全を第一に考えながら、日系企業には現地での雇用は守る努力を最大限にお願いしたい。今回の暴動による被害の賠償を中国政府は拒否していますが、いま応じてしまうと暴動の矛先が中国政府に向くことが怖いのでしょう。しかし、日本政府が言い続ければいずれ補償はするだろうと思います。まして、中国経済がインフレになれば中国政府も賠償しやすくなります。インフレになった後で補償してもらっても実質目減りしてしまうと思うかもしれませんが、インフレになればエネルギー等の輸入品の価格もあがりますから、人民元の切り上げが為される可能性も高くなります。インフレで目減りした価値は、人民元の切り上げで補われると思いますから、がっかりすることはありません。日本政府には、謝罪と賠償は言い続けてもらいたいと思います。

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