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2005.05.20

傭兵→ロボット→平和?

 イラクで拘束された斎藤昭彦さんの事件は膠着状態ですが、一刻も早い解放を願います。ところで、斎藤さんが従事していた傭兵という職業がすごく気になります。日本が今後軍事活動を本格化させたときに、傭兵を使うようになるのかどうか。

 イラクや東ティモールで平和を取り戻すために活躍し、国際的にも評価されている自衛隊にさえ、国内ではコンセンサスが得られないような状況で、傭兵を使うかどうかなどという話はバカげているといわれてしまいそうですが、今サマーワで自衛隊を守るためにオーストラリア軍に治安維持をしてもらっていることは、傭兵を使っていることと大差ないような気がしています。オーストラリア軍に直接報酬を支払ってはいないだけで、オーストラリア政府にしてみれば、第一の貿易相手国の日本と旧宗主国のイギリスに揃って頼まれれば無碍に嫌な顔もできなかったでしょうし、FTAの交渉もありましたから、将来的な利益を考慮してサマーワの治安維持を引き受けたことは大体想像がつきます。

 これだけではありません。日米安保にしても、アメリカは自国の利益の範囲内で日本を防衛することは当然のことですが、傭兵も自分の利益のために雇われるわけですから見返りのために他国で軍事活動をする点では、アメリカ軍も傭兵も同じカテゴリーに入ると見ることができます。日本は思いやり予算など自国防衛のための経費は支払っているわけですから、実質的にアメリカ軍を雇っているに等しいといっていいでしょう。

 傭兵は、報酬だけが目当てで忠誠心がないから良くないという一方で、ビジネスとして戦闘をするため、無用な殺戮が少なくて済み人的被害が最小限に抑えられるという見方もあります。日本国憲法は、「恒久の平和を念願し、・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」います。理想として戦争のない世界を目指すことを否定はしませんが、有史以来世界に戦争がない時代はありませんでした。私が生きているであろう今後数十年間も戦争がなくなることは考えられないと思いますから、戦争との付き合い方を考えざるを得ません。

 憲法は禁じていますが戦争を紛争解決手段としてみると、それが短期間で終わるなら長々と時間をかけて交渉するよりも効率はいいことは確かです。ただし、人命が失われることは、時間や効率よりもよほど大きな損害だから戦争はやらないほうがいいといえます。そうはいっても戦争がなくならないのなら、人的被害を最小にする傭兵を使うことは一概に悪いこととは言えません。

 さらに考えると、戦闘行為をロボットに行わせるというところにまで行き着きます。以前、戦争用ロボット(ロボットの写真があります)のことを取り上げたことがありますが、どんどん進んでいって将来的には、ロボットを使った将棋やチェスのようなもので国際紛争が解決されるようになるかもしれません。そのときこそ、「平和な世の中」といえるのかどうかは私にはわかりません。

 

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