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2005.06.16

金利水準は移ろい易い

 交通事故で死亡した被害者への損害賠償額の算定で、利率をどう設定するかで支払われる金額にずい分と大きな差が出ます。この利率をめぐって最高裁の判断が示されました。最高裁は民法が法定利息と定める5%が妥当として、高裁で認められた3%を覆しました。

 これによって5,500万円支払われるはずだった賠償金が、2,200万円も減額されるということです。14日のテレビのニュースでは、私が見た限り、現在の低金利時代にそぐわないというトーンで、被害者側に同情的な論調の報道が多かったように思いました。

 私は被害者の損害を賠償するのにできる限りのことをしてあげて欲しいとは思いますが、このことをもって法定利息の大幅な引き下げというのはどうなのかと疑問をもちます。というのは、今回の賠償はこれから将来にわたって数十年にわたって稼いだであろう金額ですから、計算期間が非常に長いわけです。来年、再来年という期間で5%の利率で割り引いたらおかしいといわざるを得ませんが、20年、30年というスパンで考えるなら決して5%は不当な数字ではないだろうと思います。

 将来の金利動向は誰にも分かりませんから、この場合すべての人が納得できる答えはないのかもしれません。ただ、今の低金利が今後10年以上にわたって続くと考えることは妥当とはいえないと思いますし、多くの人もそう思うはずです。もちろん、多くの人が思うことと、実際の結果は往々にして食い違うものですが、現在において決めなければならないのであれば多くの人の考えを尊重すべきです。

 現在、0.1%である公定歩合は10年前は1.0%、15年前は6.0%でした。20年前は5.0%でしたし、30年前は8.5%でした。十数年前に、郵便局の定額貯金や当時の長信銀の金融債が10年の満期で倍になったというのも利率が7~8%くらいでした。

 今はあんな高金利時代はもう来ないような気になってしまいますが、将来のことは分かりません。分からない以上、過去を参考にするしかないと思います。賠償金の30年後の金額を推定するなら30年前から現在の金利水準を参考にすべきですし、50年後であれば50年前からの水準を見て推定するしかありません。

 民法の規定を見直すことも必要かもしれませんが、あまり短史眼的な見方をするとどこかで弊害が出てくるものです。低金利のときは事故は減るけれど、高金利になると事故が増えるというようなことにならないよう願うものです。

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Posted by: 人気BLOGRANK | 2005.06.16 at 18:16

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