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2005.08.17

村上氏の大証株取得不認可の問題点

 金融庁は村上世彰氏が大阪証券取引所の株式を20%超取得することを認可しない方針を示したといいます。日頃、執拗に株主の権利ばかりを主張する村上氏には疑問を感じることも多いのですが、今回はある意味、村上氏も気の毒だと思っています。

 投資して利益を求めるファンドの運営者として、儲かりそうな銘柄に好きなように投資できないことは、自分の仕事の邪魔をされているのと同じことです。村上氏のこれまでの発言内容などはともかく、ファンドマネージャーが投資を規制されることは気の毒です。そうはいっても村上氏が大阪証券取引所の経営に影響力を行使できるようになった場合、先ごろ上場廃止になったカネボウや西武鉄道のような粉飾決算をしたり嘘の情報を開示するような企業に彼が投資していた時に、上場廃止の決定にすんなり従うかどうかは疑わしいことは確かです。彼が優秀なファンドマネージャーであればあるほど疑いは拭えません。

 「疑わしいだけで認められなかったら誰も認められる人なんかいない。」とか「上場審査などの自己規制機能には影響力を行使しないという条件をつけてもらってもいい。」というようなことを村上氏は言っていたようです。上場の意味を世間に問う意味からも今回の審問をあえて公開にして行ったということですが、上場していたら何でもすべて100%フリーに取引したいと訴えても彼の言い分は理解されないのではないかと思います。

 今回の問題点は、上場株式の取引の自由度といった漠然としたことではなく、証券取引所の自己規制機能を分離せずに上場してしまったことの是非ではないかと考えます。これはつい先ごろも東京証券取引所がこれから上場するに当たって、金融庁と揉めていた問題です。自己規制機能を分離さえすれば、20%超の株式取得に金融庁の認可など必要なくなるはずですし、そうすれば村上氏は好きなだけ投資ができて喜び、取引所側も自社の株式とはいえ取引が活発になって喜ばしいことになるはずです。

 もし絶対に自己規制機能を分離しないというのなら、今回の金融庁の不認可の判断は妥当だと思います。これは取引の自由と規制の問題ではなく、取引所の公正さが保たれるかどうかの問題です。目指すべきは、公正で自由な取引を可能にすることです。いくら自由な市場でも、公正さが保たれない市場では誰も取引したくなくなります。株式の取引所などは、もっともこのことが求められるはずです。

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