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2005.12.23

スト雑感

 ニューヨークのストライキのニュースを見ていてわかったのですが、あのストは違法なことなのだそうですね。労働組合には罰金が命じられて組合幹部は収監される可能性もあるということです。法を犯して、しかも一般市民に迷惑をかけてまでストを行うからにはよほどの事情があるのでしょうが、これを認めたり同情したりすることはテロリストを認めることにはつながることだと思います。ですから、市民の批判が市や州の当局ではなく、組合に向けられているというのは健全な市民感覚なのだと思います。

 日本の交通機関のストライキというと、数年前に航空業界であったような気もしますが、電車やバスではしばらく聞いた記憶がありません。もしかしたら国鉄がJRになってからストはなくなってしまったような気がします。

 日常多くの人が使う業種で、ストが少ないというかほとんどまったくないのが金融関係かなと思います。時々銀行のATMがダウンしたり、あるいは11月の証券取引所のシステムが止まったりしたことを思い出すと、もしこれらの業種でストなどされた日にはとんでもないことになるな、と思います。銀行や証券などの金融関係は、ストなど起きないように待遇面ではかなり厚遇されていると昔は言われていました。でも、ここ10年ほどの金融危機で、人員は削減されて給与水準も下げられて、それでもまだ一般企業に比べて甘いとか努力が足りないなどと言われてきました。金融機関の経営危機に公的資金が使われた以上、批判されるのは当然だと思います。そう考えると、経営母体が公的機関であるニューヨークのストはとんでもないことだなとわかります。

 昨年、プロ野球選手がストをして、あれは多くのファンは選手側を支持していたようでした。実際に2リーグ制を維持して、交流試合などもできてよかったのだろうと思います。これからプロ野球がどうなるかわかりませんから、まだ結論づけるのは早計かもしれませんが、一般市民に理解されないストライキは、やってもいい結果は得られないといえるようです。

 ストライキなどないに越したことはありませんが、まったくないのも異常かもしれません。やむを得ずやるにしても、大義名分とその大義への一般の理解がなければやる意味はないのでしょう。義と理のないストなど、最初からやらなければいいのにと思います。

 

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2005.12.15

儲けの行方

 ジェイコム株で儲けた証券会社が、「火事場泥棒」とか「美しくない」と批判されて早々に利益返上に動いたことは妥当なのだろうと思います。証券会社が取得したジェイコム株の全てが他人の傷口を広げるようなことをして得たものではなかったとしても、多くの批判にもかかわらずアブク銭のような儲けを掴んで放さなかったなら、長い目で見れば得策ではないことだろうと思います。世界でも一流といわれる証券会社の、そんなあさましい姿を見せられたら、証券市場から離れていく人も出てくるでしょうし、新たに入ってくるはずの有能な人材が証券業界を敬遠するようになったかもしれません。

 ジェイコム株の利益を返上して投資者保護基金などに拠出する分は、当然ながら非課税としなければおかしなことになります。みずほ証券が損をすることは、ある意味で市場を混乱させたことに対するペナルティと見ることができます。そのペナルティの額として400億円が高いのか安いのかはわかりません。さらにその負担をみずほ証券だけが被るのではなく、東証や富士通も分担するのかどうかはまた別の問題です。

 ジェイコム株を取得した証券会社の行為は、その真意はどうであれ、結果として市場を混乱させた者にペナルティを科すことといえます。そのことで課税された上に利益も返上させられたなら、今後は誰もペナルティを科すことをしなくなり、そのためにつまらないミスで市場が混乱することが頻発するかもしれません。

 株主のものである会社の利益を安易に放棄すると、株主代表訴訟を起こされる可能性もあるそうですが、もしそんな株主が所有する会社であれば、その会社の将来性は乏しいのだろうと思います。

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2005.12.14

日本酒もっと

 来年の税金のことを自民党の税制調査会で話し合っていますが、やっぱり第3のビールは増税されるようです。せっかくビール各社が開発したものを、その努力を無駄にするような増税は残念でなりませんが、気を取り直してさらに見てみると、清酒は減税されるという吉報もあります。1ℓあたり20.5円、1升なら約37円、わずかではあっても日本酒好きな私にはうれしい話です。

 最近は焼酎ブームで、私の周りの友人たちと飲みに行くと焼酎になることが多いのですが、やっぱり日本酒が好きです。焼酎は悪酔いしないと言う友人は多く、私もそれを否定はしませんが、私の場合その原因は明らかです。日本酒はおいしいからついつい飲みすぎてしまうのです。先月も数年ぶりの友人2人と飲んだのですが、私を含めて3人とも日本酒好きだったもので、居酒屋で一升瓶を2本開けてしまいました。どうやって帰ったか覚えていないくらいになってしまいましたが、やっぱり日本酒は飲みすぎてしまいます。

 だからあんまり飲まないほうが体にはいいのかもしれませんが、たまにではなく頻繁に飲んでいれば、そんなにバカな飲み方はしないはず・・・・ (^_^;)かな?

 ブームは焼酎でもワインでも構いませんが、何はともあれ日本酒が飲みやすくなることはうれしいことです。

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2005.12.09

増税と長期金利

 国の借金はGDPの160%にも及び、財政の健全化は急務といわれています。でも、増税の議論をしようとした財務大臣の谷垣さんや経済財政・金融担当の与謝野さんが、それだけで閣内で冷遇されてしまうというのは、どうも気の毒で仕方ありません。私は増税はしないで済むならそれに越したことはないと思いますし、消費税を上げるなら所得税や法人税を下げて、直間比率の見直しまで踏み込んで議論すべきだと思っていますが、増税というだけで議論さえさせないというのはどんなものかという気がします。ただ、学者出身の竹中さんが、「増税を口にする人は形を変えた抵抗勢力だ」などと言って議論さえも封じ込めようとするからには、増税しなくても歳出削減だけでも財政再建を進めることはできるという確信があるのかもしれません。

 日本の財政は借金漬けで大変だといわれながら、発行される国債は順調に消化されています。長期金利も高騰する気配はなく、今年も1.1%台から1.6%強の範囲で収まっています。借金漬けの政府が発行する債券が1%台です。それでも個人向け国債は人気で、これまでの10年の変動金利のものに加えて、5年の固定金利のものもラインナップに加わっています。金融市場の動きを素直に解釈すれば、借金漬けといわれていても、日本政府はこれを踏み倒すことなくきちんと返してくれるだろうと多くの人が思っているということになります。すなわち、日本の財政は危機的だと本気で騒いでいる人はあくまで少数派だということです。市場参加者の多数派が必ずしも正しいとは限りませんが、リスクをとって投資をしている人たちの判断は、リスクをとらずにただ大変だと騒いでいる人と比べれば、信用するに足るように思います。

 一方で、銀行など市場での有力なプレイヤーが国債を大量に抱えてしまったために、これらのプレイヤーは国債が暴落しては困るから買い支えざるを得なくなっているということも考えられます。その側面は否定しませんが、それだけで説明がつくとは思えません。だいいち、日本の国債市場は一部のプレイヤーの思惑で、長期間押さえつけられるほど小さくないはずですし、個人向け国債が売れるのは銀行の思惑だけでは無理でしょう。公取委から排除勧告を受けた三井住友銀のように、個人向け国債を中小企業の経営者に強制したという話は聞いたことがありません。

 「国の財務書類」という資料があります。財務省が作っている国の決算書のようなものです。最新のデータで平成15年度のものですが、この中の貸借対照表を見ると、資産が696兆円で負債が941兆円になっています。245兆円の債務超過です。けっしていい数字ではないのですが、国債が売れ残って価格が暴落せずにいるということは、国債市場はまだこの債務超過を許容範囲と見ているということです。

 ただ、債務超過額は平成14年度より3兆円増えています。245兆円は許容範囲でも、これ以上債務超過額が増えれば許容範囲を超えるかもしれません。普通に考えるなら、まずは早急に歳出を削減して、とにかく債務超過額の増加をストップして、その上で増税など歳入の増加策を講じて債務超過額の縮小に取り組まなければなりません。この流れで考えれば、谷垣さんや与謝野さんの考えも無茶なことではありません。至極もっともなことです。

 しかし、増税に頼る対策では景気にいい影響は与えません。景気が悪くなれば、国債を消化してくれる人たちの懐にダメージを与えて、それによって国債の購入が難しくなって、その結果として暴落を招く恐れもあります。ベストなのは、やはり歳出削減だけで債務超過を解消することです。それが可能なのかどうかはわかりません。可能であったとしても時間がかかりすぎては意味はありません。

 増税を回避して政府の歳出削減を加速するためには、国債が暴落しない程度に長期金利が上昇することが必要なのではないかと考えています。長期金利が上がってくれば、設備投資への影響が懸念されてきて、景気を引っ張ってきた設備投資に冷や水をかけるような増税策は取れなくなります。そして、国債による資金調達コストも増加しますから、政府も官僚も歳出削減に励まざるを得なくなります。

 とはいっても、国債が暴落しない程度に引き上げる長期金利の水準が、どの程度なのかが難しいところです。正論とはいえ増税を口にする政治家がいる今の長期金利の水準が適正ではないことは確かでしょうし、必要以上に金利が上がりすぎても本当に景気が後退してしまいます。短期金利はゼロ金利を維持しても、これからは長期金利が手探りをしながら緩やかに上昇していくことが望ましいように思います。もしそうならずに、そして財政の債務超過にも改善が見られなければ、その時は増税を受け入れるしかないのだろうと思います。

 

 

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