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2005.12.15

儲けの行方

 ジェイコム株で儲けた証券会社が、「火事場泥棒」とか「美しくない」と批判されて早々に利益返上に動いたことは妥当なのだろうと思います。証券会社が取得したジェイコム株の全てが他人の傷口を広げるようなことをして得たものではなかったとしても、多くの批判にもかかわらずアブク銭のような儲けを掴んで放さなかったなら、長い目で見れば得策ではないことだろうと思います。世界でも一流といわれる証券会社の、そんなあさましい姿を見せられたら、証券市場から離れていく人も出てくるでしょうし、新たに入ってくるはずの有能な人材が証券業界を敬遠するようになったかもしれません。

 ジェイコム株の利益を返上して投資者保護基金などに拠出する分は、当然ながら非課税としなければおかしなことになります。みずほ証券が損をすることは、ある意味で市場を混乱させたことに対するペナルティと見ることができます。そのペナルティの額として400億円が高いのか安いのかはわかりません。さらにその負担をみずほ証券だけが被るのではなく、東証や富士通も分担するのかどうかはまた別の問題です。

 ジェイコム株を取得した証券会社の行為は、その真意はどうであれ、結果として市場を混乱させた者にペナルティを科すことといえます。そのことで課税された上に利益も返上させられたなら、今後は誰もペナルティを科すことをしなくなり、そのためにつまらないミスで市場が混乱することが頻発するかもしれません。

 株主のものである会社の利益を安易に放棄すると、株主代表訴訟を起こされる可能性もあるそうですが、もしそんな株主が所有する会社であれば、その会社の将来性は乏しいのだろうと思います。

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Tracked on 2005.12.16 at 19:01

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