« March 2006 | Main | May 2006 »

2006.04.12

フランスの反新自由主義

 フランスのドビルパン首相が、26歳未満の若者は理由を示さずに解雇できるとする新雇用制度(CPE)を撤回しましたが、他国のことながらフランスはこれからどのような方向に進むのか心配になると同時に、興味深いものがあります。というのは、英仏でおよそ20年の時をへだてて対照的な動きになっているように思うからです。イギリスでは、80年代にサッチャー首相が炭鉱のストライキに怯むことなく、労組を説き伏せて改革を成功させました。一方でフランスのドビルパン首相は学生のデモを抑えることができず、労組に屈した格好になっています。

 イギリスのサッチャリズム、アメリカのレーガノミクス、そして現在の日本の小泉改革も新自由主義という潮流の中にあるといわれますが、最近日本では格差が問題視されるようになって来ました。新自由主義への疑問です。

 政治や経済の政策というものを考えると、常に何か1つのことが正しいということはなくて、対立する考えが議論を尽くしてより良いものを求めていくというスタイルが望ましいと思います。だからこそ政治においては自民党だけではなく、二大政党制を望むのですが、現在の政権に対する対立軸が見えてきません。恐らく多くの人はかつての社会党のような左翼よりも、自由主義、資本主義の中で新自由主義に対する何かを対立軸として求めているのでしょうが、それが何かが見えてきません。民主党の小沢新代表がそれを示すことができるのかどうか注目されますがどうでしょうか。

 新自由主義的な政策を否定したフランスで、今後どのような政策が採られていくのでしょうか。ここに、対立するもうひとつの軸の姿がおぼろげながらにでも見えてこないかと期待したいという意味で、興味深いと思っています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.04.03

過疎地域に生活の足

 国交省が、NPOなどによる自家用車の有料送迎を解禁する方針という記事がありました。国鉄が民営化されて20年近くなりますが、当時は民営化に伴い赤字路線の廃止が話題になっていました。廃止される路線を使っていた人たちは、特にお年寄りを中心に「大変だ」という声があって第3セクターで鉄道を維持しようとしたりしましたが、結局は赤字でその多くはうまくいきませんでした。

 この頃、私はまだ学生でしたが、父母の実家である新潟へいったときに感心したことがあります。父母ともに実家は田んぼの広がる集落にあって、駅までいくのに歩いて20~30分はかかるところにありました。ですから、車がなければ買い物に行くのも不便で、まさに車は生活の足でした。従兄弟たちは運転免許を取って自分の車を持つ年齢になって、子供の頃と比べると活動範囲は飛躍的に広がっていました。仕事のときは当然ですが、休みの日でも日中は家にいることはなく、自分の車でどこへでも出かけていました。

 そんな従兄弟たちでも、朝出掛けるときに祖父母が用事があってその日外出すると聞くと、それぞれ誰が送っていくか、帰りはどうするかといったことを当然のように話し合って調整していました。当たり前といえば当たり前なのですが、朝仕事へ行く前に病院へ送っていって、帰りに友人と約束があっても一度祖父母を家に送り届けてからまた出掛けていました。

 都会とまではいかなくても、第3セクターでも電車が通っていれば、若い人も先約があるところをわざわざ送り迎えなどしないだろうし、お年寄りの方も気兼ねして一日に何本かしかない電車に乗ろうとするのだろうと思います。本数が少なければ時間に遅れて乗り過ごすわけにはいきませんから、早めに出かけて寒い冬など吹きさらしの駅で待たなければなりません。検査のために病院へ行って風邪を引いて帰ってくるということもあったでしょう。その点、もとから電車がなければ誰かが送り迎えするしかありませんから、孫が多少の無理をしても車に乗せてあげるようになります。ドア・ツウ・ドアで、しかも車の中で会話もするでしょうから世代間の交流もできます。

 電車がなくても悪いことばかりではないのだなと感心していたのですが、上の記事を見て思ったのは、もはや送ってくれる家族もいなくなっている過疎地域の厳しさです。少子化もあるでしょうし若い人は田舎を離れてしまっているのかもしれません。いずれにせよ、お年寄りだけの世帯が増えて、生活の足を確保できなくなっているのでしょう。このようなところをNPOが埋めてくれることはいいことだと思います。このような用途に使われる車両の保険料を割り引くような保険会社があればいいなと思います。そういう保険会社はただ安いだけの保険会社よりもいい会社だと多くの人が思って、そういう保険会社の保険こそ、都会でも売れるような世の中になってもらいたいものだと、ふと思いました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« March 2006 | Main | May 2006 »