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2006.12.07

金利は上げたほうがいいのか

 金利をめぐって、政府と日銀が対立しています。日銀は金融調節機能の回復のため、ゆっくりとではあっても金利を引き上げたい意向なのに対し、政府は高成長政策をとりたいために利上げには消極的です。

 好景気の持続による高成長は望ましいことだと思いますし、物価はプラス基調になったとはいえ、まだ低いままでいつデフレに逆戻りしないとも限りません。そんなことから、個人的には利上げはどんなものかと思っていました。しかし、最近利上げもいいのかもしれないとも思い始めています。

 望ましいシナリオは、ここまで堅調に来た設備投資から個人消費へと、景気の牽引役を遺漏なくシフトさせることです。設備投資が過大になされれば、過剰投資となって再びリストラを迫られてしまうでしょう。そうならないように設備投資は徐々にフェイドアウトしてもらい、代わって景気回復の持続のために個人消費が盛り上がってもらう必要があります。

 現状では、企業業績はよくなっていても従業員の給与へ反映されていないことから、消費は盛り上がってきません。いずれ設備投資も一服するはずだから、個人消費に火がつかなければ好景気も終わってしまいます。企業が従業員の給料を上げないのは、先々の経営状態を考えての判断であるでしょうから、傍からとやかく言う筋合いでもありません。しかし給料が上がらないから景気回復を実感できず、消費も盛り上がってこない。

 そこで、せめて金利を引き上げて利息が入るようにすれば、その分を消費に回すのではないかと考えられます。もちろん、家計は預貯金ばかりではなく、住宅ローンをはじめとする借入れもあります。それゆえ金利を引き上げて預貯金の利息が入っても、ローンの金利も上がって出費も増えれば、やはり消費は増えないのではないかという見方もできますが、ここで長期金利と短期金利を別々にみる必要があります。

 日銀が引き上げようとしている金利は、無担保コール翌日物をはじめとする短期金利です。通常は日銀の政策によって短期金利が上がれば、長期金利も上がるのですが、最近は長短金利が一致した動きをしていません。短期金利は日銀の利上げを織り込もうと強含みで推移していますが、長期金利は下がったままです。住宅ローンで短期金利と相関のあるのは、変動金利型の住宅ローンで、固定特約付などの固定金利の住宅ローンは長期金利に連れて金利は動きます。

 日銀が金利を上げてもその影響は短期金利だけなら、住宅ローンへの影響は変動金利型住宅ローンに限られ、限定的です。そうなると金利引上げで、ローンの支出増よりは預貯金の収入増が見込まれます。また、金利の上昇によって物価の上昇が極めて低い水準か、あるいは物価は下がるかもしれません。でも、消費のためには悪いことではないと思います。給料は増えないが少し利息による臨時収入が入ったときに、物価がどんどん上がるよりは安いままのほうが消費もしやすいと思うのです。さらに、団塊の世代が多額の退職金を手にしたときに、金利がある程度上がっていて利息収入が見込まれれば、彼らは大いに消費をするに違いありません。

 好景気の持続のためには、今は低金利よりもある程度の利息収入が見込めるほうがいいのではないだろうか、そんなふうに考えています。


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